タンポタケ(春型) Tolypocladium aff. capitatum

2021/3/14,大阪府

タンポタケ(春型) Tolypocladium aff. capitatum

 
子実体はタンポ型、長さ20150㎜1から数本直生する。柄の太さは約410㎜、黄褐色~暗いオリーブ色、まれにささくれを生じ、上部ほど色が濃くなることが多い。頭部(結実部)は径620㎜、オリーブ色~黒褐色、または茶褐色。ただし大きさ・色彩ともに変異が大きい。また、断面の肉の色は白色。子嚢殻は埋生。
 地下生菌の一種であるアミメツチダンゴ(ワナグラツチダンゴ)に寄生する。

 冬虫夏草にしては珍しく、2月ごろという早春から子実体が現れはじめ、4月ごろまで見られる。宿主と共生関係にある、シイやコナラの近くで多く発生する。一か所に群生することが多く、過去には80本弱の大量発生を確認した。

 本種には春型と秋型が知られており、ここで紹介したのは春型の方である。秋型を狭義のタンポタケTolypocladium capitatumとし、春型を別種とする考えもあり、ここではそれに従った。なお、春型と秋型では胞子の縦横比が微妙に異なるという。

 また、外見が酷似している近縁種にヌメリタンポタケエゾタンポタケなどが存在する。ヌメリタンポタケは頭部に滑りがあり、また子実体の断面が黄白色を呈することで見分けられる。エゾタンポタケは肉眼的には本種と見分けるのは困難で、顕微鏡で胞子を観察しなければ同定できない。

2020/3/14,大阪府

2021/1/31,大阪府

2020/3/7,大阪府 断面は白色。

参考文献-(1),(2),(3),(5)

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