2021/4/3,大阪府 |
テンガイカブリタケ Verpa digitaliformis
子実体は有柄で帽状、長さ50から120㎜。頭部はつりがね形で柄とは離生し、直径12から25㎜。頭部表面は栗褐色から黄褐色、わずかにしわを持ち、若いころは平滑、後にあばた状にくぼみができ、しばしば細かな網目状。裏面(内面)は柄と同色。柄は円筒形で、やや根元に向かって太くなり、表面は平滑か小鱗片を生じ、直径8から15㎜、クリーム色か淡肉色。特に根元付近には肉色から褐色の鱗片をつけることが多い。中は中空で、内面は綿毛状の白色菌糸に覆われる。
春、攪乱された草地や林内地上にまばらに生える。比較的稀な種。
テンガイカブリという和名で呼ばれることもある。また、近縁種でしばしば本種のシノニムとされるものにズキンカブリ Verpa conicaが存在する。一説には柄に横縞状の鱗片があるのが Verpa conica だともされている。ここで見られるものは、多少の差はあれ縞状の鱗片をもつので Verpa conica かもしれない。一方で、日本国内でテンガイカブリとされているものにも、外見的に複数タイプあるように思われ、この二種に関しては今後検討が必要だろう。
また、多くの図鑑などでは、トップのような若い個体の写真がが掲載されていることが多いので、下のような成熟個体を見た際に混乱をきたさないよう注意が求められる。
2020/4/19,大阪府 成熟個体。 |
参考文献-(7),(8),(10),(11)
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