ハナヤスリタケ Tolypocladium ophioglossoides

2020/3/1,大阪府

ハナヤスリタケ Tolypocladium ophioglossoides

 子実体は棍棒~円筒型、地上部の長さ20~50㎜、1から数本直生する。柄の太さは約4~10㎜、黒褐色~黒色。頭部(結実部)は径5~15㎜、黒褐色~黒色。ただし未熟時は、柄が黄色~薄褐色で結実部は褐色。子嚢殻は埋生。地下部は不規則に分岐した細根状、白黄色~黄色。地下部は非常に複雑かつ繊細なため、採集には細心の注意が必要である。
 地下生菌の一種であるアミメツチダンゴ(ワナグラツチダンゴ)に寄生し、それらと共生関係にあるシイやカシといった常緑広葉樹の近くで多く発生する。

 冬虫夏草にしては珍しく、2月ごろという早春から子実体が現れはじめ、5月ごろまで見られる。

 筆者は確認していないが秋にも発生するという。
 類似種にシロネハナヤスリタケタンポタケモドキエゾハナヤスリタケイシカリハナヤスリタケなどがあるが、地下部が黄色を呈するのは本種だけであることで見分けられる。

2020/2/11,大阪府 やや未熟な個体。

参考文献-(1),(2),(3),(5),(8),(11)

0 件のコメント:

コメントを投稿