2024/6/11, 沖縄県 |
イリオモテクマゼミタケ Purpureocillium sp.
子実体はこん棒型で長さ10-30 mm、未熟時は灰色から薄黄色、のち成熟すると褐色から暗褐色で、宿主のあちこちから多数が直生する。結実部と柄の境は不明瞭。子嚢殻は暗褐色から黒色で埋生、孔口は突出する。
宿主や子実体の表面には、しばしば虫ピン状のアナモルフが見られる。アナモルフの分生子の色は薄紫色。PDA培地で培養した場合も、コロニーの表面に紫色の分生子を形成する無性世代が観察される。
主にセミの成虫(クマゼミ、ヤエヤマクマゼミ、リュウキュウアブラゼミ、オオシマゼミなど)から発生する。
5-7月の夏季に多く発生するが、それ以外の季節に発生が見られることもある。現在のところ、南西諸島でしか見つかってない。
本種の発生しているセミや本種の子実体の表面には発生するアナモルフは、セミノハリセンボンに類似している。また、形態が類似した完全世代の種にコニシセミタケ、スズキセミタケなどがあり、本種とその近縁種は分類に整理が必要と思われる。
2024/6/11, 沖縄県 やや若い個体. |
2024/6/11, 沖縄県 アナモルフが同居する個体. |
PDA培地上のコロニー. |
参考文献-(1), (2), (3), (4)
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