イシガキセミタケ(仮称) Ophiocordyceps aff. pseudolongissima
子実体は棍棒型、長さ50-120 mmで、宿主から通常1本が直生する。結実部と柄の境はやや明瞭。結実部は未熟時に淡褐色から淡赤色、のち成熟するとバラ色から赤色、赤褐色。柄部は円柱形で褐色から橙褐色・赤褐色で、地中部は短い傾向にある。子嚢殻は埋生、赤色。
地中のセミ(イワサキゼミ?)の幼虫から発生する。
3月-5月の春季を中心に発生。現在のところ、石垣島・西表島からのみ知られる。
イリオモテセミタケ O.pseudolongissima に近縁な種だと思われるが、子実体(特に地中部の長さ)や子嚢胞子の形態的特徴、発生時期などがイリオモテセミタケとは異なっているため、ここではこの学名とした。なお「イシガキセミタケ」の仮称は、盛口満『新訂 冬虫夏草ハンドブック』に掲載されている名前である。
本種とイリオモテセミタケは、発生場所・時期がかぶる場合があるため、長らく混同されてきた。特に、『冬虫夏草生態図鑑』には本種が「イリオモテセミタケ」として掲載されているため、注意が必要である。
2023/4/4, 沖縄県 |
2023/4/11 |
子嚢胞子(×400). |
参考文献- (1), (2), (3), (4)